エルフェンリートにハマる(感想②)

前回の記事の続きです。

本記事はモロにネタバレしていますので注意して下さい。

未だにファンを獲得し続ける作品

この作品について色々な方の感想を読みましたが、意外にもここ数年来に初めてこの作品を見たという方が多いようです。

このアニメが放映されて既に13年近くの月日が経っていますが、未だに私のように新たなファンを獲得しているということですね。

それにしても2004年といえば私は入社3年目のヒヨッコで毎月100時間近く残業して地獄の日々だったと記憶しています。そりゃ放送がやってたことすら気付かんわな。

全体の感想

アニメ制作当時は原作が完結しておらず、最後の部分はオリジナルストーリーを嵌め込んでいます。1クール13話でよくここまで完成度高くまとめ上げられたものだと感心しました。全話通じて中だるみ部分もなく、テンポよくストーリーが展開していきます。

アニメも原作もラストシーンの解釈は読者に委ねる形で終わっています。私は白黒付けて欲しいタイプなので、エヴァンゲリオンの時と同じくちょっとそこは残念でした。

この物語はどうしてもエロ、グロ、スプラッター的なところがフォーカスされがちですが、それぞれ過去に闇を抱えた人たちの他者との関わりをメインに描かれた噛めば噛むほど味のある作品だと思います。

ルーシーは本当に優しい性格だったのか?という議論があるようですが、子ども時代のルーシーがコウタに言った「他の誰かをたくさん殺すようになったらコウタが私を殺して」の伏線が原作のラストで回収されていたので一応は優しかったということで良いではないでしょうか。

また、アニメでは記憶を戻したコウタがルーシーの父と妹の殺害をいともあっさりと許します。「いくらなんでもそりゃねえだろ!」と納得いかなかったのですが、原作では一転してコウタはルーシーをなかなか許さず、それなりの理由をもって許しを与えるという形で見事に修正されていて感心しました。

1クール終了時点ではかなり続編への期待があったようですが、結局、13年経った今まで音沙汰がありません。最終回で角沢長官がズラをとって自ら角を見せたことの伏線などが放置されたままになっているので、終了当時ではスタッフは続編への強い意気込みを持っていたと考えます。

物語自体もアニメのラストと原作を無理なく繋げられる構成になっており、興行的にも全世界で人気を誇ってDVDやCDなどのグッズも売れていたので、続編への下地は十分整っているはずです。

にも関わらず続編が作られないのは、恐らく残虐描写とロリで待ったが掛かったと推測します。なんとかOVAで結構なので続編を期待したいですね。

OP曲

この作品の人気の理由の1つは、まずオープニング曲「LILIUM」の選定が絶妙だったことでしょう。それにしても、なぜOPの曲をラテン語にしたのでしょうか?

普通のアニメでは賑やかで元気な曲がOPに選ばれることが多く、荘厳な「LILIUM」はどちらかというと本来EDに採用されそうな曲です。むしろED曲がOPに採用されてもおかしくなかったとはず。背景画とこの神秘的な曲との絶妙な調和が初見の視聴者をうまく惹きつけました。素晴らしい判断だったと思います。

この作品は海外、特にキリスト教圏で非常にウケたらしいのですが、このOP曲の「LILIUM」が果たした役割は大きかったでしょう。今もLILIUMは教会の讃美歌として歌われているとか。

それにしても教会関係者は果たしてエルフェンリートを見たり読んだりしたのでしょうか?特にロリ系ポルノを欧米人は酷く嫌悪しますので・・・。

私も何度もこの曲を聞いて車の運転中に口ずさんでいたらこのラテン語の歌詞を諳(そら)んじて歌えるようになりました。

話は逸れますが、ラテン語は多くのヨーロッパ言語の先祖であり、セミリタイアしたら勉強してみようかと思いましたが、ラテン語自体はほぼ死語になっていてマスターする意味が薄いと判断してやっぱりやめました。

絶妙な題名

まず題名の付け方がなんとも渋い。全13話の題名が全て漢字二文字の熟語で表されています。

第1回から「邂逅」「掃討」「胸裡」「触撃」「落掌」「衷情」「際会」「嚆矢」「追憶」「嬰児」「錯綜」「泥濘」「不還」。

造語の「触撃」を除いて皆さんどれぐらいこれらの熟語を知っていましたか?

字面から何となく分かる言葉もありますが、私が正確な意味を知っていたのは「掃討」「追憶」「嬰児」「錯綜」の4つだけでした。

当たり前といえば当たり前ですが、これらの熟語がきっちりとそれぞれの話とリンクしています。

特に第7回の「際会」を敢えて「再会」としなかったのが渋い。ちなみに「際会」は「重大な事件や時機にたまたま出あうこと」という意味です。

また、最終回の「不還」は「もう帰ってこない」という意味なのかと思っていたのが、仏教用語で「人間界に戻ることなく天界以上の階位に上って悟りに至る」という意味で、ラストシーンを見事に表していて「うまい!」と感心しました。

また、新聞などを読んでいると「邂逅」や「嚆矢」という熟語は何度か目にしました。仕事に役立つことはほぼありませんが、ちょっと賢くなったなと自己満足しています。

好きなシーン

第6回「衷情」:コウタとルーシーの神社での再会シーン

にゅうが楓荘でコウタらと一緒に暮らし出してから初めて「ルーシー」として再会する(厳密には第3回でニアミスしている)場面です。

雨上がりに狛犬から滴り落ちる雫がルーシーの涙を暗示して切ないです。

そしてコウタとユカが手を繋ぐ場面。ルーシーが嫉妬して思わずベクターでユカを突き飛ばします。

後で述べますが、コウタとルーシーとユカの三角関係をもっとドロドロさせて欲しかった。ほぼ全編、ユカが一方的にコウタにヤキモチを焼く場面ばかりだったのが残念でした。

余談ですが、このシーンの直前のコウタとユカのイチャイチャシーンがあるのですが、もしかしてルーシーがその様子を陰で見ていて嫉妬に狂ってユカをチョンバするんじゃないかとビクビクしました。

第4回「触撃」:蔵間室長がナナを処分するシーン

この場面を心に残るシーンと感じた人も多かったでしょう。不覚にも涙がこぼれそうになりました。

ルーシーに四肢を切断されて戦いに敗れてもはや使い道がない、とナナの処分を命じられた蔵間室長。身体検査だと偽って睡眠薬を注射したところ、全てを察したナナが「さようなら、パパ・・・」と穏やかな表情で涙を流しながら目を閉じると、蔵間室長の「(気付いていたか!)うっ、すまない・・・。」とうなだれるシーンですね。

普段はクールな蔵間室長が表情を歪ませるところが何とも言えませんね。

実は私は20年以上泣いていないのですが、このシーンは思わず涙がこぼれそうになりました。

尚、ナナは本来ここでお役御免の予定だったのですが、海外のファンからの熱烈な「殺さないで要請」に異例の復活を遂げ、この先もキーパーソンとして活躍し続けます。

第8回「嚆矢」:ルーシーがコウタに看病されるシーン

「にゅう」の状態で熱にうなされていて「ルーシー」として目を覚ます場面ですね。

布団から起き上がったルーシーが「バカな娘(ナナ)を懲らしめに行くと」いってフラフラになりながらナナを探しに行こうとしますが玄関で倒れます。そこを「寝てなきゃダメだ!」とコウタに叱られながら抱きかかえられてルーシーが顔を赤らめます。

再び寝床に連れて行かれたルーシーがコウタに看病され、心配して見守る姿に赤面するシーンです。(なぜ「にゅう」の表情になるのかが謎)

冷酷な殺人鬼のルーシーが珍しく純情な表情を見せるギャップにグっと来ました。

残念なのが、原作では看病するコウタにルーシーから思わず手を握るシーンがあります。アニメではカットされていましたが、ここは忠実に再現して欲しかったな~。

エルフェンリート第6巻より

第9回「追憶」:ルーシーがコウタ一家とユカを見下ろしているシーン

ルーシーによる鶴岡八幡宮ぼんぼり祭(?)での大量殺戮事件の後、コウタ一家がユカと極楽寺駅で別れる場面ですね。

ルーシーが駅の反対側の崖のような場所で憎しみに満ちた目で「嘘つき」と心の中で呟きながらコウタらを見下ろしています。後の大惨事を暗示する描写に思わず唾を飲み込みそうになるシーンです。

尚、原作ではルーシーは江ノ電の車内でコウタの父と妹を殺害した後に屋根を突き破って崖の上から緊急停止した電車を眺めているシーンが描かれています。その時ルーシーはようやく事の重大さに気付き涙を流していますが、この場面はアニメにはありません。

エルフェンリート第5巻より

この場面は最終回でルーシーが「あの時以来、コウタにずっと謝りたかった」と言った伏線になったはずで、是非とも描いて欲しかったなあ。

他にもルーシーとコウタの子ども時代の動物園や川遊びの場面や貝殻割ってごめんなさい、最後の出撃前のやり取り、蔵間室長とマリコの再会シーンなどもありますが、これ以上取り上げると冗長になり過ぎるのでこの辺りにしておきます。

ルーシーとにゅうの服の対比

着の身着のままで研究所を脱出したルーシーは当然ですが服の持ち合わせが無かったので、基本的にユカのお下がりをもらうことになります。

お下がりですが非常に可愛らしいデザインの服で、「にゅう」の時にはキャラも相まって非常に似合っています。可愛い服を着たまま外的なショックを受けて殺人鬼ルーシーに人格が変貌する時の服とのギャップが非常に印象的でした。

鎌倉

このアニメに標題を付けるとしたら、萌え、グロ、バイオレンス、それに何と言っても鎌倉でしょう。

第1回の桜満開の極楽寺駅のシーンから始まり、佐助稲荷神社の赤々とはためく旗と顔が壊された狛犬、成就院から見た絶景の海の眺め、銭洗弁天、鶴岡八幡宮、由比ヶ浜、七里ヶ浜、そして最終決戦の地である江ノ島、と鎌倉の情景が非常に精彩に描かれています(注:江の島は藤沢市)。

もっとこうすれば良かったのでは?と思ったところ

全体を通じて素晴らしい作品だったことは疑いがないのですが、敢えてここをこうしたらもっと良かったのに、と思ったところを挙げていきます。

ルーシー、コウタ、ユカの三角関係

少し触れましたが、この三角関係が弱い。原作のラストでコウタとユカは結ばれることになりますが、コウタがユカを強く恋愛対象として意識している場面は佐助稲荷神社の場面ぐらいです。

子ども時代のルーシーがコウタ少年を好きだった様子はしっかり描かれていますが、大きくなって再会してからはその想いの描写が少し弱いと感じました。

そして、コウタが結局ルーシーやにゅうを恋愛対象と見ていたのかは子ども時代からラストまでハッキリしていません。すれ違い好きの私としては、最後にコウタがユカかルーシーかを選ばなければならない、というシーンがあったらもっと面白かったのに、と思いました。

コウタとユカの設定

設定として、いとこ同士のコウタとユカが恋愛関係になるというのが引っ掛かり続けました。私は歳の近い従姉妹が5人いますが、一度も恋愛感情を持ったことがありませんし、多分これが一般的な異性のいとこ関係でしょう。

例えば親戚の隣の家族だとか、そういった設定ではダメだったのかと考えました。

ただ、コウタとユカがいとこ同士でないと、ユカの親がコウタとの同居を認めるはずがない、という話になります。まあ、にゅうやマユ、ナナと次々に若い女性を住み込ませるのもそもそもおかしいじゃないか!と突っ込みもある訳でキリがないのですが。

ちなみに、海外のファンサイトを覗くとエルフェンリートの読者の中で、日本では近親婚がよくあると勘違する人がいるみたいです。一応、掲示板に日本ではいとこ同士の結婚は法律では認められているが極めて稀だ。但し、菅直人前首相は近親婚で有名である、と拙い英語で書いておきました。

その他

ルーシーと記憶が戻っていないコウタとの絡みがもう少し欲しかったな、と思いました。これもすれ違いと言えばすれ違いですね。

また、ジルペリットは3歳になると親をも殺す性質を持つはずなのに、ナナがなぜ人間にベクターを向けないのか?という説明がないままでした。ディクロニウスと人類は共存できるんだというオチも欲しかったですね。

オマケで、胴から真っ二つに斬られた坂東がラストで生き返るのなら、同じように真っ二つにされたマリコの育ての母の斉藤も生き返らせてあげて・・・。

最後に

前回の記事でも触れましたが、私はこの作品をたまたま第9回から見ました。しかし、もしも第1回から見ていたらどうなっていたのか?

第1回は初っ端から警備員や特殊部隊員、ドジっ娘秘書が無残に惨殺されます。あまりのグロさに目を背けて恐らく以後この作品をシャットアウトしていたでしょう。

進撃の巨人も、たまたま壁外調査の場面から見たことがこの作品に虜になったきっかけになりました。本当にタイミングって大切だなぁと思いますね。

また、重要な事なので二回言いますが、何十年経とうともエルフェンリートの続編を期待しています。

それにしても全13話+1話と全12巻の物語を一記事でレビューとしてまとめ上げるのは本当に難しい。これからもアニメや映画もちょくちょくレビューしていきます!

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コメント

  1. bombombonds より:

    カ、カズさん、評論家みたいですね。
    こんな凄い感想文書けるんですね。
    仕事できないって言ってますけど、信じられません

    • カズ より:

      ボンズさんコメントありがとう。
      エルフェンリートにハマる①の記事のアクセスがめっちゃ少ないので、これだけ渾身の力で書き上げたのに・・・と悲しくなったので、褒めていただいて本当に嬉しいです。
      多分この記事がブログ開設以来、一番時間が掛かって手が込んでいるんちゃうかなあ。

      興味さえあることならば全身全霊で頑張れるんですが、私は仕事と名のつくあらゆるものに興味が無いので会社ではいつもダメダメヘボサラリーマンですわ。